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ここからは少し込み入った長話になります。
中小企業としてのオズの考え方や指針を書いたものなので、時間と興味のある方にご一読いただければ幸いです。

では、「おもしろい」をカタチにしていくには?

オズは「おもしろい」を形にする会社ですが、そこにはいくつかの解釈があります。
「おもしろいと思ったものを作る」ことについては前述の通りです。
それに加え、「おもしろいと思いながら働ける」というのも同じくらい重要です。
「おもしろい」という原動力があっても、それが商品として形になり、かつ利益を生み出さなければ企業として成り立ちません。
また、モチベーションを保つことができる職場環境がなければ、社員の能力をフルに活かすことができません。

ここではいくつかの項目に分け、オズがどんな経営スタイルと職場環境を 心がけているかを書いていきます。

スタッフは30 人ほどがちょうどいい

滅多なことがない限り、オズは30人以上に社員を増やさないようにしています。
普通の企業なら、業績が好調であれば更なる事業拡大を目指し、社員や事業所を増やすでしょう。

オズも業績は伸び続けていますが、社員の数は横ばいです。

主な理由としては、ひとところで気持ちよく働ける人数の上限が30人程度だと考えているからです。

この「気持ちよく働く」というのは、例えば社員全員が各々の顔と名前を覚え、円滑にコミュニケーションができるという意味です。
30人なら何とか可能ですが、これが40人、50人となっていくと格段に難しくなり、100人を超えれば不可能の域に入ります。
また、人数が増えれば増えるほど人間関係で行き違いが起きたり、縦割りやセクショナリズムの弊害も起きます。
そうした観点から、オズではむやみに人を増やさず、お互いが分かり合える範囲の人数で事業を行っています。

昔「大きいことはいいことだ」というフレーズが流行語になりました。
当社は「小さいことはいいことだ」と考えています。

森羅万象!「おもしろい」はあらゆるところに

最初の方で少し触れましたが、オズは分野に枠を設けず、「おもしろい」を指針に自由なモノづくりをしています。

オズの製造ラインも「自由度」が設計思想となっています。
機械化できるところは機械化していますが、どこかに手作業の部分を残しています。
それにより、機械では難しい繊細で工芸品的なモノ作りも可能です。
製造ラインの組み換えや機械の移動なども短時間で行えるので、お客様の要望で毎日作るものが変わっても対応できています。

もちろん、オズだけで何もかも魔法のように作れるわけではありません。
自分たちの力でどうにもならないものは、その分野が得意な他の企業と協力して作ります。
その際はオズの掲げる「おもしろい」に共感してくれるかどうかが大切なポイントになります。

また、オズではアイデアを考えるとき、個々の商品ではなく広い「テーマ」から発想を始めます。
例を挙げると、「空気」「水」「土」「風」「火」「木」「自然」「宇宙」「香り」「明かり」「音」「彩り」「手」「指」 「口」「虫」「紙」「くつ」「ごみ」……あとは「温泉」「映像」「食堂」「日本」「家具」なんかもあります。

テーマだけ並べても、具体的な商品を思い浮かべるのは難しいかと思います。
実際、広いテーマから商品の輪郭を作っていくのは雲をつかむような作業です。
ただ、こうすることで枠組みにとらわれない型破りな商品のアイデアが浮かぶこともあります。

こうした形で、その時々の得意分野で戦いながら進んでいこうと思っています。

働き方もおもしろく自由にカスタマイズ!

オズの中で、予算やノルマはほぼ死語になっています。
資金計画のために予算は作りますが、内容は経営陣だけが共有し、一般社員は全く知りません。

「おもしろい」と感じて進める仕事は、期限を決めなくてもそれなりのスピードで進みます。
長い目で見るとノルマで背中を押すより効率的ですし、精神的な負荷をかけない分、働きやすさにもつながります。
社員同士の交流が目的であれば、食事会やイベントの費用は会社側で負担しています。
動画にあったように、社員の要望に応じてトレーニングルームやラウンジも設置しました。

働き方については、個人に応じてできる範囲でオーダーメイド化もしています。
今まで子育てしながら働く女性の事は、会社も社会も国も見て見ぬふりをしてきました。
ここにきて制度は整いつつありますが、十分とは言えません。

女性の働き方を含め、一中小企業ができることは知れていますが、個人ベースの要望を聞くところから始めています。
試みとして、子育てメンバーがリモートも活用し、自宅にいながら自分のタイミングで仕事に参加する働き方を始めています。
「おもしろく働く」ことの壁となる要素はできるだけ取り払い、自由で自発的な働き方ができる環境づくりを心がけています。
働きたくなる中小企業。 オズはそういう存在になりたいと考えています。

稟議書なしの車座トークのコミュニケーション

前述の項目でコミュ二ケーションについて触れましたが、人数が少ないからといってコミュニケーションがうまく取れるとは限りません。
意識して円滑に情報をやり取りしたいのであれば、そのための仕組みが必要です。

オズでは部署別に机を分けず、すべての部署のメンバーが一緒に座っています。
これによって部門の内外に関わらず、時間差なしで情報共有ができています。
一方、情報の報告義務や定例会議などは特になく、稟議書も存在しません。
普段から全員が予備情報を共有しているので、あとは机ごしに口頭確認するだけで済むからです。

これは人数を絞っているからこそ実現可能な仕組みであり、その強みは今後も最大限活かしていきます。

大企業の報告会議で、担当が完璧なパワポ資料を作成して、大多数で儀式のように行われているのを見聞きします。「日本の非生産性の象徴」のように思えます。
上司が現場に降りて行って要点だけ聞けば、おそらく5分で済みます。

おもしろいが収益になったらwin-win‼

企業にとって、そして個々の社員にとって、収益は最も強く共有できる目的の一つです。
儲かることは「おもしろい」の一側面であり、オズにとっても重要事項です。

大企業は規模で収益を上げるので、早ければ20代から年収1,000万円の実力者が現れます。
その金額は中小の製造業だと大きな壁ではあるものの、越えられないとは思っていません。
「おもしろい商品」の代表として、今までのマーケットにない新規性のある商品が挙げられます。
それは単に目新しいというだけでなく、競合のないフィールドで商品が展開できます。
お客様に受け入れてもらえれば、ブルーオーシャンでのビジネスになり、収益にも貢献できます。

そうして得られた利益は、昇給や賞与の形で社員に還元します。
前述のように社員数が少ないので商品がヒットした際の配当は大きく、また自分たちで稼いだという手ごたえを持てます。

もちろん、これを実現するにはどれだけのアイデアを形にしてヒットさせられるかが勝負です。
オズでは年間50~100の新しい商品を世に送り出します。
そのペースで商品を生み出し続けても、大ヒットするのは5年に1商品くらいです。
ただ、そもそも作らなければ当たる可能性はゼロですし、作り続けることで各商品のノウハウは確実に蓄積されていきます。

「おもしろい商品」を作り続け、そのサイクルによって利益を出す。
ある意味で自転車操業的なスタイルですが、オズは今後もこの方法で進んでいこうと思っています。

波乱万丈の船旅!おもしろいかも。

オズでは、よく会社を「船」に例えて話をします。
企業の大・中・小というくくりは、あくまで船の大きさを示すものです。
大型船は収容人数も貨物の種類も多いですが、小回りが利かず、連携を取るのは容易ではなく、長旅で疲弊することもあるでしょう。

その点、中型~小型船は大勢が乗れるわけではないものの、機動力に長け、連携しやすく、行先・停泊地もある程度は自由に決められます。
どんな船に乗っても、荒波にもまれて一緒に旅することは変わりません。であれば、決められた作業だけをこなす退屈な航海ではなく、波乱万丈の冒険のほうが「おもしろい」のではないか。 オズはそう思っています。
これからも「おもしろい」を会社の礎にしつつ、モノ作りや事業をインキュベートする存在でありたいと考えています。
何かを一緒に生み出したいと思われている方には、いつでも門戸を開いています。

ご精読ありがとうございました。
できるだけありのままの考えを書こうとしましたが、ご不快に思われた方もいらっしゃるかもしれません。 その点はご容赦いただければと思います。
そしてお客様が私たちの生み出したそれらのモノやコトに触れられた際、少しでもオズの「おもしろい」が伝われば幸いです。